個人事業主の税務調査を税理士に頼むメリット・デメリット

税務調査

この記事では、個人事業主が税務調査を受けることになったとき、税理士に頼むべきかどうか、私の体験談を含めて書いています。また、税務調査に強い税理士を探す時のポイントについて紹介します。実際に、私が探した方法や失敗した点も参考になればと思います。

個人事業主が税務調査を税理士に依頼する際のデメリット

まず、税務調査を税理士に依頼する際のデメリットについて、紹介しますね。

デメリットを知っておくことはとても重要です。

具体的には、以下のようなデメリットがあります。

費用がかかる

税理士に依頼するには費用がかかります。特に、調査期間が長引く場合や複雑なケースでは費用が高額になることがあります。また、調査の過程で新たな問題が発見された場合、その対応に追加の費用がかかることがあります。この点は、最初から想定して見積もってもらうことで対策できることがあります。

税理士に依存してしまうリスク

税務に関する全てを税理士に任せると、自身での税務知識の習得や管理能力が低下する可能性があります。これにより、税理士がいない場合に対応が難しくなることがあります。

税理士と相性が悪くても、税理士の変更は難しい

すべての税理士が同じレベルのサービスを提供するわけではありません。信頼できる税理士を選ばなければ、期待通りのサポートを受けられない可能性があります。また、税理士との相性が合わない場合、コミュニケーションの問題が生じることがあります。しかし、税務調査の税理士を変えることは現実的には難しいです。

情報漏洩のリスク

税務調査の対応のために、ビジネスや個人的な財務情報を税理士に開示する必要があります。これにより、プライバシーの懸念が生じることがあります。

また、税理士が適切なセキュリティ対策を講じていない場合、データ漏洩のリスクが増加します。

税理士との打合せのために時間と稼働がかかる

当然ですが、税理士との打ち合わせや調査対応のためのスケジュール調整が必要になります。また、稀にですが、税理士を介することで、即時の意思決定が難しくなる場合があります。

これらのデメリットを考慮した上で、税理士に依頼するかどうかを慎重に判断することが重要です。依頼する場合は、信頼できる税理士を選び、費用対効果を十分に検討しましょう。

税務調査を税理士に頼むメリット

税務調査を税理士に頼むことには、デメリットもありますが、以下のようなメリットがあります。税理士に頼んだほうがよいのか、頼まないほうがよいのかは、個人の事情により異なります。安易に周囲の意見に左右されず、慎重に検討してみてください。

税務に関する専門知識と経験

税理士は税法や会計に関する高度な知識を持っており、税務調査に対応する際の専門的なアドバイスを提供してくれます。また、税務調査に慣れている税理士は過去にありとあらゆる税務調査に対応した経験があり、その経験を基に適切な対応策を講じることができます。

時間と労力の節約

税理士は必要な書類や情報を効率的に整理・準備する手助けをしてくれます。これにより、経営者や担当者の負担を軽減します。自分で税務調査に対応する場合、税務調査官から言われた書類を準備することになりますが、そのまま提出してしまうと、不利になったり、誤解を招くこともあります。この点、優秀な税理士に相談しておけば、補足説明書を付けて資料を準備してくれるなど、不当な調査を受けることを防いでくれます。

また、税務調査の対応を税理士が代行することで、時間と労力を大幅に節約できます。税理士が税務調査官との交渉を行ってくれますので、こちらに不利な点を最小限に抑えられます。

精神的な安心感

専門家のサポートを受けることで、安心感を得られます。税務調査の過程で生じる不安やストレスを軽減することができます。

実は、私が税理士に依頼した一番の理由は、この安心感でした。

税務調査は、想像以上のプレッシャーです。私は個人事業主として20年以上活動しており、ビジネス上のトラブルは多数経験してきました。詳しくは書けませんが、死を意識するようなトラブルもありました。それでも、これまでの仕事人生で何が一番つらかったかというと、税務調査です。

自分ひとりで税務調査に対応していた場合、非日常なプレッシャーに耐えられなくて、精神的に壊れえてしまったかもしれません。

長期的なメリット

税理士のアドバイスにより、企業の税務管理体制を見直し、改善することができます。これにより、将来的な税務リスクを低減できます。

また、税務調査では税理士とかなり密に連絡を取ります。税理士との長期的な関係を築くことで、継続的なサポートを受けられます。

税務調査に強い税理士を探す時のポイント

税務調査に強い税理士を探す時、どんな点を考慮すればよいのでしょうか。ここでは、私が実際に頼む際に、考慮したポイントを紹介します。

個人事業主の税務調査に慣れているか

当たり前の話ですが、税務調査に慣れているかどうかはとても大事なポイントです。

この点では新人税理士さんは候補から外したほうがよいかもしれませんね。新人税理士の中には、会計事務所勤務時代に税務調査を経験している方もいると思うのですが、やはり税理士として立ち会った経験と、裏方としてサポートした経験は全く違います。

また、税務署OBなら安心というわけでもありません。税務署OBであっても、税務調査の経験はほぼないという方もおられるからです。税務署の仕事は多岐にわたりますし、すっと法人担当だった方であれば、個人事業主の税務調査には詳しくありません。行政は縦割りと言われますが、部署が違えば、ほとんど仕事内容を知らないということもよくあるからです。

実際、私が税務調査を受けた時の担当者は、税務署勤続25年の国税調査官だったのですが、ずっと個人担当だった方なので、株式会社の税務について一般論を聞いても、「別部署になるので、そこで聞いてください」としか言われませんでした。

では、どうやって税務調査に詳しい税理士を探すのかというと、

自分がやるべきことは何か?

税理士事務所によって、また担当する税理士によって、税理士側でやってくれること、自分でやらなければいけないことは大きく違います。

料金はそう違わないのに、A事務所ではほぼ丸投げでOK、B事務所では全ての領収書について摘要(何のための支払いなのか)を書いてくれと言われることもあります。

実際、私が依頼した税理士事務所はBタイプでした。例えば、JRの領収書に、いちいち、「●●株式会社訪問」と書いていくのは非常に時間と労力を要しました。年間で約300枚の領収書がありましたので、全ての領収書の摘要を思い出して書くためには2日かかりました。実際の税務調査では、そこまでチェックされず、あれは何だったんだと思った次第です。(あくまで個人の体験談です。税務調査官によっては、そこまで気にするのかもしれません)

料金は明確か?

料金も税理士事務所によって、大きく異なりますね。重要なのは、その大小ではなく、明確かどうかです。

最初に、「総額●●円です。実費、交通費全て含んでいます」と言ってくれる事務所もあります。

一方、目安として●●円くらいですが、状況によって前後します。税務調査が終わった時に精算して請求しますという事務所もあります。これは友人から聞いた話ですが、最初は30万円くらいですねといわれていたのに、最終的には66万円請求されたということがあったそうです。

個人の好みにもよるのでしょうが、私なら絶対に前者の事務所を選びます。


私の個人的な意見としては、信頼できる税理士さんに出会うことができれば、頼んでしまったほうが楽です。コストはかかりますが、どうせ経費で落ちます。また税務署側の心証もよいような気がしました。

ただ、信頼できる税理士に出会うことができない場合、頼まないほうがよいです。ただ、自分が楽をしたいからというだけで、誰でもいいから頼もうという感じだと、あとで後悔することになります。

タイトルとURLをコピーしました